コラム

こんにちは。くろおかファミリー歯科です。

「学校の歯科検診では問題ないと言われました。歯医者さんにも行った方がいいですか?」

「痛がっていないのに、子どもを歯科検診に連れて行く必要はありますか?」

「虫歯がないのに定期的に歯医者へ行く意味はありますか?」

お子さまの歯について、このような疑問をお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。

実は、子どもの歯科検診は「虫歯を見つけるため」だけのものではありません。

子どものお口の中は、乳歯から永久歯へと大きく変化していきます。

歯が生えてくる時期には、歯磨きの方法も変わります。

さらに、6歳頃には6歳臼歯が生え、その後は乳歯と永久歯が混在する時期を経て、徐々に永久歯が増えていきます。

そのため、その時々のお口の状態に合わせて、

・虫歯がないか
・磨き残しがどこにあるか
・歯磨きがきちんとできているか
・永久歯が正しく生えてきているか
・歯並びやかみ合わせに問題がないか
・フッ化物をどのように活用するか
・シーラントが必要か
・食生活やおやつの摂り方に問題がないか

などを確認することが大切です。

今回は、子どもの歯科検診で実際にどのようなことを確認しているのか、また、学校歯科検診との違いについて、くろおかファミリー歯科の予防歯科の考え方も交えて詳しく解説します。

「痛くないから歯医者に行かなくていい」は本当?

まず、ぜひ知っていただきたいのが、

「痛くない=お口の中に問題がない」

とは限らないということです。

虫歯は、初期の段階では痛みがないことも少なくありません。

特に子どもの虫歯は、保護者の方が見ただけでは気づきにくい場所にできることがあります。

例えば、

・奥歯の溝
・歯と歯の間
・歯と歯ぐきの境目
・生えたばかりの永久歯

などです。

「毎日歯磨きをしているから大丈夫」

と思っていても、歯ブラシが届きにくい場所には磨き残しが残っていることがあります。

そのため、痛みが出てから歯科医院を受診するのではなく、問題がないうちから定期的にお口の状態を確認することが大切です。

学校の歯科検診と歯科医院の定期検診は何が違う?

「学校でも歯科検診をしているのだから、歯医者で検診を受けなくてもいいのでは?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、学校で行われる歯科検診と、歯科医院で行う定期検診では目的や内容が異なります。

学校歯科検診は、多くのお子さまのお口の状態を限られた時間で確認し、受診が必要と思われる場合に歯科医院への受診を勧めることなどを目的としています。

一方、歯科医院での定期検診では、お子さま一人ひとりのお口の状態を継続的に確認することができます。

例えば、

「前回より磨き残しが減ったか」

「新しく生えてきた永久歯はきれいに磨けているか」

「奥歯の溝に虫歯のリスクがないか」

「歯並びに変化がないか」

など、以前のお口の状態と比較しながら確認することができます。

つまり、学校歯科検診と歯科医院の定期検診は、どちらか一方ではなく、それぞれの役割があります。

歯科医院ではまず「虫歯がないか」を確認します

もちろん、定期検診では虫歯のチェックも重要です。

特に子どもの場合、虫歯になりやすい場所には特徴があります。

奥歯の噛む面

奥歯の噛む面には、細かく複雑な溝があります。

特に6歳頃に生えてくる第一大臼歯、いわゆる「6歳臼歯」は、永久歯として長く使う大切な歯です。

しかし、生え始めの時期は歯ブラシが届きにくく、噛む面の溝も複雑なため、磨き残しが生じやすくなります。

そのため、6歳臼歯が生えてきたら、歯科医院で状態を確認することが大切です。

必要に応じて、シーラントなどの予防処置を検討することもあります。

歯と歯の間

歯と歯の間も、虫歯ができやすい場所の一つです。

歯ブラシだけでは毛先が十分に届かないため、歯と歯の間のプラークを落とすには、デンタルフロスなどを活用する必要があります。

特に乳歯の奥歯同士が接している部分などは、外から見ただけでは虫歯に気づきにくいことがあります。

「歯磨きを毎日しているのに虫歯ができた」

という場合には、歯と歯の間の清掃が十分にできていなかったことも考えられます。

生えたばかりの永久歯

永久歯は、生えたらすぐに「大人の歯として完成している」というわけではありません。

生えたばかりの永久歯は、これから成熟していく段階にあります。

また、乳歯と永久歯が混在する時期は、歯の高さがそろっていないため、歯ブラシを当てるのが難しくなります。

そのため、永久歯が生えてきた時期こそ、歯科医院で磨き方を確認することが重要です。

歯科検診では「虫歯になる前のサイン」も確認します

定期検診の大きなメリットは、虫歯になってから治療するのではなく、虫歯になる前のリスクに気づけることです。

例えば、

・プラークが特定の場所にたくさん残っている
・歯の溝が深い
・歯と歯の間に磨き残しが多い
・甘い飲み物を頻繁に飲んでいる
・おやつをだらだら食べる習慣がある
・フッ化物の使用方法が適切でない

などです。

こうしたリスクを早い段階で見つけることができれば、

「歯磨きの方法を変える」

「仕上げ磨きの方法を見直す」

「フッ化物配合歯磨き剤を正しく使用する」

「おやつや飲み物の摂り方を見直す」

「必要に応じてシーラントを行う」

といった対策を早めに始めることができます。

「歯磨きができているか」も定期的に確認します

子どもの定期検診で非常に重要なのが、歯磨きのチェックです。

「毎日歯磨きをしています」

というお子さまでも、実際にどこまできれいに磨けているかは別の問題です。

特に、

・奥歯の噛む面
・歯と歯ぐきの境目
・歯と歯の間
・生えたばかりの永久歯
・歯並びが重なっている部分

などには磨き残しが出やすくなります。

そこで当院では、必要に応じて磨き残しを染め出して確認します。

染め出しを行うことで、

「ここが磨けていない」

ということを、お子さま自身にも目で見て確認してもらうことができます。

ただ「もっと丁寧に磨きましょう」と伝えるだけではなく、

「どこが磨けていないのか」

「なぜそこが磨きにくいのか」

「どうすれば磨けるようになるのか」

まで一緒に考えることを大切にしています。

子どもの歯磨きは「できるようになるまで支援する」ことが大切

当院では、子どもの歯磨きについて、

「小さいうちは仕上げ磨き」

「大きくなったら自分で磨く」

と単純に分けるのではなく、年齢に応じて少しずつ自分でできるようになることを目指しています。

特に小学生の間は、保護者の方による仕上げ磨きをできる限り続けていただくことをおすすめしています。

なぜなら、大人でも毎日磨き残しが出るのに、まだ手先が十分に発達していない子どもが、すべての歯を一人できれいに磨くのは簡単なことではないからです。

「もう小学生だから一人で磨かせています」

という場合でも、一度染め出しをしてみると、意外な場所に磨き残しが見つかることがあります。

仕上げ磨きは「子どもが何もできないから親が全部やる」というものではありません。

自分で磨く練習をしながら、保護者の方が最後に確認してあげる。

そして、少しずつ自分で磨ける範囲を増やしていく。

このように考えていただくとよいでしょう。

中学生・高校生になったら「自分で完璧にできる」ことを目指します

中学生・高校生になると、保護者の方が毎日仕上げ磨きをすることは現実的ではなくなってきます。

そこで当院では、この時期には「自分自身で適切なセルフケアができるようになること」を大切にしています。

当院では、中学生・高校生のお子さまに対しても、必要に応じて毎回染め出しを行い、磨き残しを一緒に確認しながらTBI(歯磨き指導)を行っています。

「歯磨きしてください」

と伝えるだけではなく、

「どこに磨き残しがあるのか」

「なぜそこが磨けないのか」

「どのように歯ブラシを動かせばいいのか」

を一緒に確認します。

そして、少しずつ自分で改善できるように関わっていきます。

目標は、単に「歯磨きをする習慣をつける」ことではありません。

大人になったときに、自分自身で自分の歯を守れるようになること。

これが当院の小児予防歯科における大切な目標の一つです。

歯並びやかみ合わせも成長に合わせて確認します

子どものお口は、年齢とともに大きく変化します。

乳歯が生えている時期から、永久歯への交換が始まり、最終的には永久歯がそろっていきます。

その過程で、

・歯が生えるスペースが足りない
・永久歯が予定していた場所と違うところから生えてきた
・歯が重なっている
・上下の歯のかみ合わせに問題がある
・顎の成長とのバランスが気になる

などの変化が見られることがあります。

もちろん、すべてのお子さまが矯正治療を必要とするわけではありません。

しかし、成長の途中でお口の変化を継続的に確認しておくことで、必要な場合には早めに専門的な相談につなげることができます。

「歯並びが悪くなってから相談する」のではなく、「成長の過程を見ながら必要なタイミングで相談する」という考え方が大切です。

フッ化物の使い方も成長に合わせて見直します

子どもの虫歯予防では、フッ化物の活用も重要です。

フッ化物配合歯磨き剤は、毎日のセルフケアの中で継続して使用することが基本になります。

ただし、お子さまの年齢や口腔内の状態によって、使用する歯磨き剤の濃度や量などを考える必要があります。

日本小児歯科学会などの提言でも、年齢に応じたフッ化物配合歯磨き剤の使用が推奨されています。

そのため、単に「フッ素を使っています」というだけではなく、

「どの濃度を使っているか」

「どのくらいの量を使っているか」

「どのように使用しているか」

まで確認することが大切です。

当院でも、お子さまのお口の状態や年齢に合わせて、フッ化物の使い方についてご説明しています。

シーラントが必要かどうかも確認します

前回までの記事でもご紹介してきたように、奥歯の溝は虫歯になりやすい場所です。

特に6歳臼歯など、生えたばかりの永久歯は注意が必要です。

そこで、お口の状態によってはシーラントを行うことがあります。

ただし、

「6歳になったら全員シーラント」

というわけではありません。

歯の溝の形や深さ、磨き残し、虫歯の経験、食生活などを総合的に確認したうえで、そのお子さまに必要かどうかを判断します。

シーラントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

▼シーラントについて詳しくはこちら
https://kurooka-dc.com/column/sealant-faq-children/

食生活やおやつの摂り方も予防の一部です

ここまでの記事でも詳しく解説してきましたが、虫歯予防では食生活も非常に重要です。

例えば、

・おやつを一日何回食べるのか
・甘い飲み物を頻繁に飲んでいないか
・ジュースを水分補給として飲んでいないか
・長時間だらだら食べていないか

などを確認します。

当院には管理栄養士が在籍していますので、必要に応じて、お子さまの食生活についてもご相談いただけます。

「甘いものをやめましょう」

というだけでは、ご家庭で実践することが難しい場合もあります。

そこで、お子さまの成長や普段の食事、生活リズム、ご家庭の状況などを考えながら、無理なく続けられる方法を一緒に考えていきます。

歯科医院での予防と毎日の食生活をつなげることも、当院が大切にしている予防歯科の一つです。

定期検診では「前回からどう変わったか」を確認することが大切

子どもの定期検診は、一回受けて終わりというものではありません。

大切なのは、

「前回と比べてどう変わったか」

を見ることです。

例えば、

「以前より磨き残しが減った」

「6歳臼歯がきれいに磨けるようになった」

「フロスが使えるようになった」

「おやつの回数を減らせた」

「自分で歯磨きする意識が高くなった」

など、小さな変化を積み重ねていくことが重要です。

お子さまの成長とともに、必要なサポートも変わります。

だからこそ、定期的にお口を確認し、その時期に必要な予防方法を一緒に考えていくことが大切なのです。

くろおかファミリー歯科が大切にしている「予防」の考え方

当院では、子どもの歯科検診を「虫歯があるか、ないかを確認するだけの時間」にはしたくないと考えています。

虫歯がなければ、

「何も問題ありません」

で終わるのではなく、

「今の良い状態をどうやって維持するか」

を考えます。

例えば、

・仕上げ磨きの方法
・自分で磨くためのTBI
・染め出しによる磨き残しの確認
・フッ化物の活用
・シーラント
・おやつや食生活
・歯並びやかみ合わせ
・成長に合わせたセルフケア

などを、そのお子さまの状態に合わせて組み合わせていきます。

そして最終的には、

「歯医者さんに言われたから歯磨きをする」

ではなく、

「自分の歯を自分で守る」

ことができる大人になってもらいたいと考えています。

よくある質問

Q. 虫歯がなくても定期検診は必要ですか?

はい。

むしろ、虫歯がない状態を維持するために定期的に確認することが大切です。

虫歯の有無だけでなく、磨き残し、歯並び、永久歯の生え方、フッ化物の使用状況なども確認できます。

「問題がないから行かない」のではなく、「問題がない状態を維持するために行く」と考えていただくとよいでしょう。

Q. 学校の歯科検診で問題なしと言われました。それでも歯科医院に行く必要がありますか?

学校歯科検診と歯科医院での定期検診は目的が異なります。

学校歯科検診で問題がなかった場合でも、歯科医院ではより継続的にお口の状態を確認し、磨き残しや虫歯のリスク、歯並びなどをチェックすることができます。

学校検診を一つのきっかけとして、歯科医院での定期的な管理も検討しましょう。

Q. 子どもが歯医者を怖がります。痛くなくても連れて行って大丈夫ですか?

はい。

痛みが出てから受診すると、「歯医者=痛いことをする場所」という印象につながることがあります。

痛みがない時から定期的に歯科医院に来て、お口をチェックしたり、歯磨きの練習をしたりすることで、歯科医院を身近な場所として感じてもらいやすくなります。

お子さまのペースに合わせて、無理なく慣れていくことを大切にしましょう。

Q. 定期検診はどのくらいの間隔で受ければいいですか?

お子さまのお口の状態や虫歯のリスクによって適切な間隔は異なります。

虫歯のリスクが高いお子さまや、歯が生え変わる時期などは、よりこまめなチェックが必要になる場合があります。

一律に「何か月ごと」と決めるのではなく、お口の状態に合わせて歯科医院で相談することをおすすめします。

Q. 子どもが自分で歯磨きできるようになったら、仕上げ磨きは必要ありませんか?

自分で歯磨きができるようになっても、すぐに完全に磨けるようになるわけではありません。

大人でも磨き残しが出ることを考えると、子どもが一人ですべての歯をきれいに磨くことは簡単ではありません。

当院では、小学校卒業頃までは、できる限り保護者の方による仕上げ磨きを続けていただくことをおすすめしています。

その一方で、本人が自分で磨く練習も続け、最終的には自分自身で適切なセルフケアができることを目指します。

まとめ

子どもの歯科検診は、虫歯を見つけるためだけのものではありません。

・虫歯のチェック
・磨き残しの確認
・歯磨き方法の確認
・フッ化物の活用
・シーラントの必要性
・永久歯の生え方
・歯並びやかみ合わせ
・食生活やおやつ
・セルフケアの成長

など、お子さまのお口全体を継続的に確認することが大切です。

特に子どもは成長によって、お口の環境が大きく変化します。

乳歯の時期、6歳臼歯が生える時期、乳歯と永久歯が混在する時期、永久歯がそろってくる時期など、それぞれの段階で必要な予防方法は変わってきます。

だからこそ、

「痛くなったら歯医者に行く」

ではなく、

「痛くならないように定期的に歯医者で確認する」

という習慣を、お子さまのうちから身につけていただきたいと考えています。

くろおかファミリー歯科では、歯科医師・歯科衛生士だけでなく、管理栄養士も含めて、お子さまの成長に合わせた予防歯科をサポートしています。

「虫歯はないけれど、ちゃんと磨けているか心配」

「6歳臼歯が生えてきたけれど、どう磨けばいい?」

「仕上げ磨きはいつまで必要?」

「子どもが自分で歯磨きできるようになってほしい」

など、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

お子さまが大人になったときに、自分自身の歯を自分で守れるように。

そのための土台づくりを、くろおかファミリー歯科がお手伝いします。

 監修者情報

高槻市くろおかファミリー歯科院長の写真

経歴

  • 2003年 私立淳心学院高等学校卒業
  • 2011年 北海道大学歯学部卒業 北海道大学歯学部第一補綴科にて研修を行う
  • 2012年 大阪府下の義歯に特化した自費診療専門の医院で勤務
  • 2013年 大阪府下 医療法人 副院長就任
  • 2014年 同医療法人 分院長就任
  • 2024年 くろおかファミリー歯科 開業

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