「子どもの舌は、普段どこにあるのがよいの?」
「飲み込むときに舌が前に出ている気がする」
「発音や歯並びと、舌の使い方は関係するの?」
このような疑問を持ったことはありませんか?
舌は、食べ物を噛んだり、飲み込んだり、言葉を発したりするときに欠かせない器官です。また、何もしていないときの舌の位置や、唇の閉じ方、呼吸の仕方も、お口の機能を考えるうえで大切なポイントになります。
今回は、子どもの舌の位置と口腔機能の関係、ご家庭で気づきたいサイン、歯科医院で相談できることについて解説します。
目次
1.舌にはどんな役割があるの?
舌は、味を感じるだけの器官ではありません。お口の中で、さまざまな働きをしています。
食べ物をまとめ、飲み込みやすくする
食事のとき、舌は食べ物を歯の上に運んだり、唾液と混ぜてまとめたりする働きを担っています。
噛んだ食べ物を飲み込みやすい形に整え、喉へ送り込むときにも舌の動きが必要です。
発音を助ける
言葉を発するときには、舌や唇、顎などを細かく動かしています。
舌の動きや位置は、さまざまな音を作るために重要です。
お口の中のバランスに関わる
舌は、唇や頬とともに、お口の中で歯や顎の周囲にある組織と関わっています。
そのため、舌の位置や動かし方、日常的な口の使い方は、歯並びやかみ合わせを考える際にも確認したいポイントです。
ただし、舌の位置だけで歯並びが決まるわけではありません。顎の成長や遺伝的な要因、呼吸、口腔習癖など、さまざまな要素が関係しています。
2.何もしていないとき、舌はどこにある?
食事や会話をしていないとき、舌がどこにあるか意識したことはありますか?
安静時の舌の位置には個人差がありますが、舌先が下の前歯の裏側や歯ぐき付近にある場合や、上顎の前方に軽く触れている場合などがあります。
大切なのは、舌がいつも歯を強く押していたり、歯と歯の間から前に出ていたりしないか、また、舌や唇が無理なく使えているかという点です。
舌の位置は、年齢や口の大きさ、鼻呼吸のしやすさなどによっても異なります。ご家庭で見ただけで、正しい・間違っていると判断する必要はありません。
気になる様子が続く場合は、歯科医院で確認してもらいましょう。
3.こんな舌の使い方が気になりませんか?
次のような様子がないか、お子さんの日常生活を振り返ってみてください。
- 何もしていないとき、舌が歯と歯の間から出ている
- 飲み込むときに舌が前へ出る
- 口が開いていることが多い
- 食べ物を口の中でうまくまとめられないように見える
- 食事に時間がかかる、または噛まずに飲み込んでしまうことがある
- 特定の発音が気になる
こうした様子は、舌の動きや口腔機能を確認するきっかけになります。
ただし、一つ当てはまるだけで異常というわけではありません。年齢や発達段階によっても様子は異なります。
大切なのは、食べ方や話し方、呼吸の仕方などを含めて、お子さんのお口の機能を総合的に見ることです。
4.舌の位置と口呼吸には関係がある?
前回までのブログでは、子どもの「お口ぽかん」や口呼吸についてお話ししました。
舌の位置と呼吸の仕方は、互いに関係していることがあります。
例えば、鼻づまりなどで鼻呼吸がしにくい場合、口が開いた状態になり、舌の位置にも影響が見られることがあります。
一方で、舌が低い位置にある、唇を閉じにくいといった様子が見られる場合にも、呼吸の状態を含めて確認することが大切です。
ただし、口呼吸があるから必ず舌の位置に問題がある、というわけではありません。
鼻づまりが続いている場合には、耳鼻咽喉科などで鼻の状態を確認してもらいましょう。口を無理に閉じさせるのではなく、原因に応じた対応が大切です。
5.舌の使い方と「口腔機能発達不全症」
子どもの舌の使い方を考えるうえで、知っておきたいのが「口腔機能発達不全症」です。
口腔機能発達不全症とは、子どもの「食べる」「話す」「呼吸する」などのお口の機能が、年齢に応じて十分に発達していない状態を指します。
舌の使い方に癖がある、食べるのが極端に早い・遅い、硬いものを食べない、口をぽかんと開けているなど、複数の項目を確認しながら評価します。
舌の位置や動きは、その評価の一部です。
必要に応じて、舌や唇の動き、食べ方、飲み込み方などを確認し、お子さんの状態に合った支援を検討します。
なお、口腔機能発達不全症への対応は、歯並びを整えるための矯正治療と同じものではありません。まずはお口の機能を適切に評価し、必要な支援を考えることが大切です。
6.ご家庭では、まず普段の様子を観察しましょう
舌の位置や使い方を、ご家庭で無理に直そうとする必要はありません。
まずは、普段の様子を観察してみましょう。
食事中の様子
食べ物をよく噛んでいるか、口の中でまとめて飲み込めているか、食べるときに舌や唇を使いにくそうにしていないかを見てみましょう。
何もしていないときの様子
テレビを見ているときや遊んでいるときに、口が開いていることが多くないか確認してみましょう。
話しているときの様子
発音が気になる場合や、舌を動かしにくそうにしている場合には、いつから気になっているかを記録しておくと、相談の際に役立ちます。
無理に舌を上顎につけさせたり、強い力で押しつけさせたりする必要はありません。トレーニングが必要かどうかは、お子さんの状態を確認したうえで判断します。
7.くろおかファミリー歯科では、お口の機能の発達も大切にしています
くろおかファミリー歯科では、むし歯の予防や治療だけでなく、お子さんが将来自分自身でお口の健康を守れるようになることを大切にしています。
そのため、歯だけでなく、舌や唇の使い方、食べ方、飲み込み方、呼吸の様子などにも目を向けています。
また、当院には管理栄養士も在籍しています。食事内容や食べ方、生活習慣なども含めて、お子さんのお口の成長を多職種の視点からサポートしていきます。
「舌の位置が気になる」
「食べ方や発音について相談したい」
「口が開いていることが多い」
このような気になることがありましたら、ぜひご相談ください。
まとめ|舌の使い方を知ることは、お口の健康を考える第一歩
舌は、食べる・飲み込む・話すなど、子どもの成長に欠かせない働きを担っています。
舌の位置や動かし方は、唇の閉じ方や呼吸、食べ方などとも関係するため、お口の機能を確認するときの大切なポイントです。
ただし、舌の位置には個人差があり、ご家庭で見ただけで問題があるかどうかを判断することはできません。
気になる様子がある場合は、無理に直そうとせず、歯科医院で相談してみましょう。
くろおかファミリー歯科では、お子さん一人ひとりの成長に合わせて、お口の機能を育てるお手伝いをしています。
監修者情報

経歴
- 2003年 私立淳心学院高等学校卒業
- 2011年 北海道大学歯学部卒業 北海道大学歯学部第一補綴科にて研修を行う
- 2012年 大阪府下の義歯に特化した自費診療専門の医院で勤務
- 2013年 大阪府下 医療法人 副院長就任
- 2014年 同医療法人 分院長就任
- 2024年 くろおかファミリー歯科 開業




