コラム

こんにちは。くろおかファミリー歯科です。

前回の記事では、子どもの奥歯に行う「シーラント」について、どのような処置なのか、なぜ6歳臼歯などの奥歯の虫歯予防に役立つのかを詳しく解説しました。

まだ前回の記事をご覧になっていない方は、ぜひこちらからお読みください。

▼前回の記事はこちら
子どものシーラントは必要?奥歯の虫歯を防ぐ予防処置を歯科医院が解説
https://kurooka-dc.com/column/sealant-for-children/

シーラントは、奥歯の噛む面にある細かく深い溝を専用の材料で埋めることで、プラークや食べ物が入り込みにくくし、虫歯を予防するための処置です。

日本小児歯科学会の2025年のガイドラインでも、乳歯や生えたばかりの永久歯の噛む面に行うシーラントについて、現在の研究結果をもとにその効果が検討されています。

一方で、保護者の方からは、

「何歳くらいでシーラントをするの?」

「乳歯にも必要なの?」

「シーラントって痛くない?」

「取れてしまったらどうなるの?」

「シーラントをしたら歯磨きはしなくてもいい?」

など、さまざまなご質問をいただきます。

今回は、実際に診療室でよくいただく質問を中心に、シーラントについてさらに詳しく解説します。

シーラントは何歳くらいで行うのがおすすめ?

「シーラントは6歳になったら必ず行うものですか?」

と質問されることがあります。

実際には、年齢だけで一律に決めるものではありません。

シーラントを行うかどうかは、

・奥歯の溝の深さや形

・永久歯がどの程度生えているか

・プラークがたまりやすいか

・これまで虫歯になったことがあるか

・毎日の歯磨きがどの程度できているか

・食生活やおやつの摂り方

などを総合的に確認して判断します。

特に注意したいのが、6歳頃に生えてくる第一大臼歯、いわゆる「6歳臼歯」です。

6歳臼歯は、その後長く使っていく重要な永久歯ですが、口の奥に生えてくるため歯ブラシが届きにくく、噛む面の溝も複雑です。

そのため、6歳臼歯が生えてきたタイミングで、お口の状態を歯科医院で確認してもらうことをおすすめします。

シーラント–シーラントありなし

乳歯にもシーラントは必要?

「シーラントは永久歯にするもの」と思われている方も多いかもしれません。

しかし、乳歯でも奥歯の溝が深く、虫歯になるリスクが高い場合には、シーラントが予防方法の一つになることがあります。

特に乳歯の奥歯は、永久歯に比べて歯の構造上、虫歯が進行しやすい特徴があります。

また、乳歯の奥歯は噛む面の溝が複雑で、歯ブラシの毛先が十分に届かないこともあります。

そのため、

「乳歯だから虫歯になっても大丈夫」

という考え方はおすすめできません。

乳歯は、食べ物を噛むことだけではなく、永久歯が正しい位置に生えてくるためのスペースを維持する役割も持っています。

乳歯の虫歯をできるだけ防ぐことは、将来のお口の健康にもつながります。

シーラントの処置は痛くない?

「シーラントは削る処置ですか?」

という質問もよくあります。

一般的なシーラントは、虫歯を削って詰め物をする治療とは異なり、基本的には歯を削らずに行う予防処置です。

歯の表面をきれいにしたうえで、シーラント材を奥歯の溝に流し込み、専用の光などを使って固めます。

そのため、通常の虫歯治療のように歯を削る処置とは異なります。

ただし、お口の中で処置を行うため、お子さまによっては「口を開けているのが大変」「水が苦手」など、処置そのものに緊張することがあります。

そのため、くろおかファミリー歯科では、お子さまの年齢や性格、処置への慣れ具合なども考慮しながら、無理のないように進めています。

シーラントをしたら虫歯にならない?

これは、最も大切な質問の一つです。

答えは、

「シーラントをしたからといって、虫歯にならないわけではありません」

です。

シーラントが主に守るのは、処置を行った奥歯の「噛む面の溝」です。

歯と歯の間や歯の側面、歯ぐきとの境目など、シーラントをしていない場所まで守れるわけではありません。

また、シーラント自体が一部欠けたり、取れたりすることもあります。

そのため、

「シーラントをしたから歯磨きは適当でいい」

ということにはなりません。

シーラントをしていても、

・毎日の歯磨き

・フッ化物配合歯磨き剤の使用

・必要に応じた仕上げ磨き

・食生活の管理

・定期的な歯科検診

を続けることが大切です。

厚生労働省も、シーラントはフッ化物の利用や歯磨きなどと組み合わせて行うことが重要だとしています。

シーラントが取れたらどうすればいい?

シーラントは、一度行えば一生そのまま残るものではありません。

食事や噛み合わせなどによって、一部が欠けたり、脱落したりすることがあります。

だからこそ、定期検診でシーラントの状態を確認することが重要です。

例えば、

「奥歯に白いものを詰めてもらったけれど、いつの間にか一部がなくなっている」

「シーラントをしたところに穴のようなものが見える」

という場合には、自己判断せず歯科医院で確認してもらいましょう。

必要に応じて再度シーラントを行うことで、予防効果を維持できる場合があります。

また、シーラントが一部取れたからといって、必ずしもすぐに再処置が必要とは限りません。

歯の状態や溝の形、虫歯のリスクなどを確認したうえで判断します。

シーラントをした後も定期検診が必要な理由

シーラントを行った後に大切なのが、定期的なチェックです。

その理由は、シーラントの状態だけを見るためではありません。

お子さまのお口は成長とともに大きく変化していくからです。

例えば、

・新しい永久歯が生えてきた

・歯磨きの仕方が変わってきた

・仕上げ磨きが減ってきた

・おやつの摂り方が変わった

・学校生活が始まった

など、虫歯のリスクに関わる環境も変化します。

そのため、一度シーラントをしたら終わりではなく、その後のお口の変化を確認しながら予防方法を調整することが大切です。

くろおかファミリー歯科

シーラントとフッ素は一緒に行ってもいい?

はい。

むしろ、シーラントとフッ素は、それぞれ違う方法で虫歯予防をサポートするため、組み合わせて考えることが重要です。

シーラントは、奥歯の溝を物理的に封鎖することで、プラークが溝の中に入り込みにくくします。

一方、フッ素は歯の再石灰化を助けたり、酸に対する抵抗性を高めたりする働きがあります。

つまり、

シーラントで「虫歯になりやすい溝」を守る

そして、

フッ素で「歯そのもの」を守る

というように、それぞれ異なる役割があります。

厚生労働省も、シーラントとフッ化物応用を組み合わせることで、虫歯予防効果をさらに高められるとしています。

シーラントだけでなく「毎日の生活」も虫歯予防には重要です

虫歯予防を考えるとき、歯科医院で行う処置だけに目を向けるのではなく、ご家庭での生活習慣も大切です。

特に重要なのが、おやつや飲み物の摂り方です。

虫歯は、単純に「甘いものを食べたらできる」というものではありません。

糖質を含む食品をどのくらいの頻度で摂るのか、だらだら食べる習慣がないか、食事と間食の時間にメリハリがあるかなども関係します。

厚生労働省も、虫歯予防では砂糖の摂取量だけでなく、摂取回数を減らすことが重要であり、フッ化物配合歯磨剤などの予防方法と組み合わせることが大切だとしています。

くろおかファミリー歯科では、こうした食生活についても大切にしています。

当院には管理栄養士が在籍しているため、

「子どものおやつは何を選べばいい?」

「甘いものが好きだけれど、どうしたらいい?」

「ジュースをよく飲むのが心配」

「虫歯予防のために食生活をどう変えればいい?」

といったご相談にも対応しています。

「甘いものを全部禁止しましょう」という単純な方法ではなく、ご家庭で無理なく続けられる食生活を一緒に考えていくことを大切にしています。

くろおかファミリー歯科–管理栄養士-歯科管理栄養士

くろおかファミリー歯科が考える子どもの予防歯科

私たちが大切にしているのは、

「虫歯になりやすいところを処置する」だけではなく、「なぜ虫歯になりやすいのかを一緒に考えること」

です。

例えば、奥歯の溝が深くて虫歯のリスクが高ければ、シーラントを検討します。

磨き残しが多ければ、歯磨き方法を見直します。

フッ素の利用が十分でなければ、ご家庭での使い方をご提案します。

おやつや飲み物の摂り方に問題があれば、管理栄養士も含めて食生活を一緒に考えます。

このように、

シーラント+フッ素+歯磨き+食生活+定期検診

を、お子さま一人ひとりのリスクに合わせて組み合わせていくことが、私たちの考える予防歯科です。

よくある質問

Q. シーラントはすべての子どもに必要ですか?

必ずしも全員に必要というわけではありません。

奥歯の溝の深さや形、虫歯の経験、磨き残し、食生活などを確認したうえで、必要性を判断します。

「シーラントをした方がいいのかな?」と迷われた場合は、まず歯科医院でお口の状態を確認することをおすすめします。

Q. シーラントは永久に取れませんか?

いいえ。

シーラントは永久に残るものではなく、時間の経過や噛む力などによって一部が欠けたり取れたりすることがあります。

そのため、定期検診で状態を確認することが大切です。

Q. シーラントをしたら歯磨きはしなくてもいいですか?

いいえ。

シーラントが守るのは主に奥歯の溝です。

歯と歯の間や歯の側面などはシーラントで守れないため、毎日の歯磨きやフッ素の利用は引き続き必要です。

Q. フッ素を塗っているのにシーラントも必要ですか?

お子さまの虫歯リスクによっては、シーラントとフッ素を組み合わせることが有効です。

シーラントとフッ素では予防の仕組みが異なるため、「どちらか一方」というより、お口の状態に合わせて組み合わせて考えることが大切です。

まとめ

シーラントは、子どもの奥歯、特に6歳臼歯などの虫歯予防に活用できる大切な予防処置の一つです。

ただし、シーラントをしたからといって虫歯にならなくなるわけではありません。

大切なのは、

・シーラント

・毎日の歯磨き

・フッ化物配合歯磨き剤

・必要に応じた仕上げ磨き

・バランスの良い食生活

・おやつや飲み物の摂り方

・定期的な歯科検診

を、お子さまのお口の状態に合わせて組み合わせることです。

くろおかファミリー歯科では、歯科医師・歯科衛生士だけでなく、管理栄養士も含めて、お子さまの成長に合わせた予防をサポートしています。

「シーラントをした方がいいのかな?」

「6歳臼歯が生えてきたけれど、どうすればいい?」

「子どもの虫歯をできるだけ予防したい」

このようなお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

虫歯になってから治療するのではなく、虫歯になる前からお子さまの歯を守っていきましょう。

次回のブログでは、子どもの虫歯予防に欠かせない「おやつ・食生活」について、さらに詳しく解説する予定です。

「甘いものはどのくらいなら大丈夫?」

「おやつは何を選べばいい?」

「ジュースはどのくらい飲んでもいい?」

など、保護者の方が気になるポイントを、歯科と栄養の両方の視点からわかりやすくご紹介します。

 

 

 

 監修者情報

高槻市くろおかファミリー歯科院長の写真

経歴

  • 2003年 私立淳心学院高等学校卒業
  • 2011年 北海道大学歯学部卒業 北海道大学歯学部第一補綴科にて研修を行う
  • 2012年 大阪府下の義歯に特化した自費診療専門の医院で勤務
  • 2013年 大阪府下 医療法人 副院長就任
  • 2014年 同医療法人 分院長就任
  • 2024年 くろおかファミリー歯科 開業
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