気づいた時にはお子さんの歯に穴が空いていた!
なんて経験はないでしょうか?実はこれは乳歯にできた虫歯は見つけにくいことが原因でこのようなことになっている可能性があります。
今回は乳歯の虫歯の特徴と、その対処方法についてシリーズ2回目をお話ししていきます。

乳歯の虫歯の特徴
歯の構造を考えよう

歯は上図のように表面をエナメル質、内部が象牙質の2層構造になっています。
エナメル質は象牙質よりも硬く、外部からの刺激から歯の内部を守ってくれる役割を担っています。
象牙質には神経が通っており、虫歯がエナメル質に穴をあけて象牙質に虫歯が入り込んでしまうと
虫歯治療の対象になってきます。
乳歯のエナメル質は永久歯よりも薄い

上図は左が乳歯、右が永久歯になります。
エナメル質の厚みを見てみると一目瞭然ですね。
エナメル質の薄い子供の歯は虫歯になって象牙質に届くまでの時間が永久歯に比べて早いのです。
乳歯は永久歯と比べて柔らかい
さらに乳歯は永久歯に比べて柔らかいという特徴があります。
そのため永久歯に比べると乳歯は溶かされるスピードも早くなってしまうんですね。

実は虫歯の進行スピードによって虫歯の色も変化します。
乳歯の虫歯はスピードが早く色は乳白色になりやすいです。色が歯の色とあまり変化ないため見つけにくくなっているんですね。
それと比較して永久歯の虫歯は比較的ゆっくり進行することが多く、色は黒っぽくなることが多いです。黒くなるとすぐに虫歯だとわかります。
まとめ
今回は乳歯の虫歯が進行しやすい原因を歯の構造からお話ししました。
見つけにくい原因は虫歯の「進行スピード」と「色」にあったんですね。
乳歯の虫歯は歯医者さんでもパッと見て見つけるのは困難な場合が多いです。
そのため学校検診に引っかからなかったからといって虫歯がないとは言い切れません。
お子さんのお口の中を守るためにも定期的な検診をお勧めします。
監修者情報

経歴
- 2003年 私立淳心学院高等学校卒業
- 2011年 北海道大学歯学部卒業 北海道大学歯学部第一補綴科にて研修を行う
- 2012年 大阪府下の義歯に特化した自費診療専門の医院で勤務
- 2013年 大阪府下 医療法人 副院長就任
- 2014年 同医療法人 分院長就任
- 2024年 くろおかファミリー歯科 開業