目次
【患者さん情報】
6歳 女性
【相談のきっかけ】
上下の前歯にスペースがなく重なって生えていることが気になって来院されました
【問診票での「お子さんに当てはまるもの」】
・歯並びが悪い
・食べるのが遅い
・いびきをかく
・爪をかむくせがある
・鼻炎アレルギーがある





【検査で判明した問題点】
〈形態〉
IL:30mm BL:29mm E-E:29mm
歯並び
・上の前歯が少しカタついている
・下の前歯が少しカタついている
・上の前歯が少し内側に傾いている
・下の前歯が内側に傾いている
・左下2番目の永久歯が骨の中で少し捻転している
顔面の発育
・上顎の成長が小さい(上顔面劣成長)
・下顎の成長が小さい(下顔面劣成長)
気道
・低舌位
・アデノイドによる気道狭窄
〈呼吸と姿勢〉
呼吸
・鼻呼吸?
姿勢(位置)
問題なし
〈機能〉
嚥下(飲み込み)
・口をすぼめる ・口輪筋(唇の筋肉)の緊張
・おとがいの緊張 ・頬の緊張
実際のやりとり
今日は前回色々と検査をさせていただいた結果と今後の治療方針についてお伝えしていきます。今回の検査で判明した問題点とその原因、そしてそれらを解決していくための治療方法についての順番でお話ししていきますね、宜しくお願いします。
宜しくお願いします。
まずお口の中の問題点からお伝えします。上下ともに前歯が少し重なって生えています。理想を言えば入試の段階では歯と歯の間に霊長空隙と呼ばれるスペースが空いているのが望ましいため、そのスペースと今歯が重なってしまっているスペース分が足りていないと考えられます。
それが気になっていました。
今回の診断で一番気になったことが、上下の前歯が内側に倒れ込んでいるということと、骨格的に上下の顎の前方への成長が弱いということが挙げられます。
そうなんですね。
飲み込みの動画を見ていただくと飲み込みの際にお口まわり、特に唇に力を入れて飲み込んでいるように見えます。
確かにそう見えますね。
上下の前歯が内側に倒れ込んでいる理由として一つはこれが考えられます。人は1日に600回飲み込みを行うと言われているため、それだけ歯に力がかかっているので内側に倒れ込んでいると考えられます。
またそれ以外にも日常で唇に力を入れている癖があるかもしれませんので、今日から注意深く見てあげてください。
はい、わかりました。
骨の成長もこれからしっかりとトレーニングや食事の観点からアドバイスをさせていただきますので、お母さんのご協力が必要になってきます。お子さんのモチベーション維持のためにもご家族みなさんで楽しんでこれかの矯正治療を頑張っていきましょう。
はい、わかりました。よろしくお願いします。
監修者情報

経歴
- 2003年 私立淳心学院高等学校卒業
- 2011年 北海道大学歯学部卒業 北海道大学歯学部第一補綴科にて研修を行う
- 2012年 大阪府下の義歯に特化した自費診療専門の医院で勤務
- 2013年 大阪府下 医療法人 副院長就任
- 2014年 同医療法人 分院長就任
- 2024年 くろおかファミリー歯科 開業