前歯の歯並びが気になって来院されたM.Nさんの診断

今日は前回色々と検査をさせていただいた結果と今後の治療方針についてお伝えしていきます。今回の検査で判明した問題点とその原因、そしてそれらを解決していくための治療方法についての順番でお話ししていきますね、宜しくお願いします。

まずお口の中の問題点からお伝えします。気にされていたのは前歯がハの字になって生えてきたことだと思いますが、これは前回お伝えした通りこれが正常な生え方になります。ただし、2番目以降の永久歯の生えるスペースが足りなくなっています。

さらに奥歯が上下とも内側に倒れているように見えます。これも歯並びが悪くなる原因の一つになっています。

あとは右下の3番目の乳歯が今の段階で抜けているのも問題になります。ここの歯は本来あと数年は残っていてほしい歯だったのですが、早期に抜けてしまうことでその前の歯がそのスペースを使って生えてしまうため3番目の永久歯が生えるスペースを潰してしまうのです。

あと骨格的な問題点ですが、下の顎の骨が下の方向に向かって成長しているという結果になりました。簡単にいうとこのまま成長を続けてしまうと面長のような顔貌になってしまうということになります。

下顎が下方向に成長してしまう原因として考えられるのは、低舌位が考えられます。　CTで確認すると舌は上顎にくっついておらず常に口の中で下にあるように見えます。これをしっかり上顎につけれるようになることで舌骨が挙上され下顎の下方向への成長を抑制してくれると考えます。
なので歯並びの改善ももちろん重要ですが、今後のお顔の正常な発育のためにも今からしっかりと治療を行なっていくことをお勧めします。

小児機能矯正は一般的なワイヤー矯正と違い、本人のやる気とご家族のご協力がなければ全く効果が出ない治療方法になりますのでお子さんとしっかりお話ししてみて下さいね。