永久歯列が完成してからの歯の検査・病気の予防
くろおかファミリー歯科の「大人の歯の健康診断」は永久歯が生え揃った12~15歳頃〜70歳頃までの皆様を対象としています。大切な永久歯を生涯にわたって健康に保つための充実した予防プログラムをご提供いたします。
当院ではスウェーデン発祥のMTM(Medical Treatment Model)という先進的なシステムを採用しています。 歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士が連携し、患者様お一人おひとりの口腔内環境と生活習慣を詳細に分析。その結果に基づき最適な予防プログラムを作成し、健康な歯を維持するためのサポートをいたします。
MTMとは?
従来の歯科医院では虫歯や歯周病の治療に重点が置かれることが多く、生活習慣病としての側面へのアプローチは不足しているのが現状です。 しかし、虫歯や歯周病は食生活など生活習慣とも深く関わっています。
そこで当院では、歯科医師、歯科衛生士に加え、管理栄養士がチームを組み、食生活アンケートなどを活用した包括的なアプローチを行うMTMシステムを採用しました。 患者様お一人おひとりの生活習慣に合わせたより効果的な予防プログラムを提供することで、健康な口腔環境の維持を目指します。具体的な検査内容については以下で詳しくご説明します。

歯の健康の鍵を握るのは「歯周病」
歯を失う1番の原因は歯周病になります。この歯周病を引き起こす歯周病菌は18歳ごろからお口の中に定着していくと言われています。しかしこの18歳前後というのは思春期や学生生活の忙しさ、不規則な食生活もあって一番お口の中が乱れてしまう時期でもあります。そのままの状態が放置されることで歯周病が徐々に進行し、30~40代では深刻な症状にまで発展してしまうケースも珍しくないのです。

この図は生活習慣の乱れが引き起こす様々な疾患の連鎖を分かりやすく示しています。軽微な症状から始まり放置すると生活習慣病、そして重篤な疾患へと繋がる可能性があることを示しています。
この図で注目すべきは歯周病と虫歯がこの連鎖の最上流に位置している点です。つまり、口腔内の健康状態が悪化すると脳卒中や認知症、心不全などの深刻な全身疾患のリスクが高まる可能性があるのです。
逆に言えば、歯周病と虫歯を適切に予防・治療することで生活習慣病の発症リスクを抑制し健康寿命の延伸に繋がる可能性があります。
歯周病を予防する上で最も重要なこと
歯周病や虫歯は生活習慣の乱れから起こりやすい疾患です。これらの病気の予防には以下の2点が特に重要です。
- プラークコントロール
- 適切な食生活習慣の確立

永久歯列が完成した移行も歯医者さんを定期的に受診して、プラークコントロールと生活習慣の改善ができれば、歯周病や虫歯になるリスクを大幅に減らせます。ただし、一般的な歯医者さんではプラークコントロールのみ対応して、生活習慣までは手が回らないのが現状です。食生活の乱れが継続してしまうとドミノは中流まで倒れてしまい、さまざまな生活習慣病を引き起こしてしまいます。
例えばその中の一つである糖尿病は悪化することでお口の中の歯周病を悪化させるということが広く知られています。結果として体が悪くなるだけでなくお口の中にまで悪影響を与えてしまうことになるのです。そのため当院ではこの時期の患者様にお口の中を悪くする2大項目であるプラークの付着と食生活習慣の乱れを改善させるために以下の検査を行っております。
MTMに基づいた5つの検査項目
唾液検査

お口の中の虫歯の原因菌の量を培養して調べるとともに唾液の量と強さを測定します。これにより患者様個人の虫歯や歯周病に対しての抵抗性を検査します。
- ミュータンス連鎖球菌(虫歯の穴を開ける菌)の菌量測定
- ラクトバチラス菌(虫歯の穴を深くする菌)の菌量測定
- 唾液量測定
- 唾液緩衝能測定
歯周精密検査

歯周病は沈黙の病気とも呼ばれており、一般的に自覚症状を起こすことが少ないと言われています。そのため症状がなくてもしっかりと検査を行うことで症状が進行して手遅れになる前に初期のうちに見つけ出し治療を行うことが重要になります。
- 歯周ポケット6点測定
- 測定時出血測定
- プラークスコア測定
- 動揺度測定
口腔内写真9枚法

現在のお口の中を撮影しておくことで以下の状況を記録します。また初めと終わりでどの程度お口の中の環境が改善したのかを比較することで明確に治療効果を目で確認することが可能になります。
- プラーク付着部位の記録
- 虫歯の発生部位記録
- 歯石の付着状況記録
- 歯肉の退縮部位記録 など
デンタル14枚法

目で見ただけでは判断できない虫歯がないかどうかを確認します。さらに以前に行った治療の中で再発していないか、歯周病によって骨が溶かされていないかなどを確認するためにも用います。
- 虫歯の深さと発生部位
- 歯周病の進行度(骨の吸収程度)
- 不適合な補綴物の確認
- 根尖病変の確認 など
食生活アンケート
お口の中の状況を悪くするだけでなく今後全身にも悪影響を与えてしまうため改善の余地があれば介入を行なっていきます。当院では食生活のプロフェッショナルである管理栄養士が聞き取りや改善の提案を行いますので安心してなんでもご相談してください。

- 食事回数、量、頻度の確認
- 常飲する飲み物の種類、回数、量、頻度の確認
- 間食の種類、回数、量、頻度の確認
- 歯磨きの回数とタイミングの確認 など