目次
【患者さん情報】
6歳 男性

【相談のきっかけ】
ご兄弟が前医で矯正が必要だという診断を受けて一緒に相談を受けにこられました
【問診票の「お子さんに当てはまるもの」】
・お口がポカンとあいていることが多い
・爪を噛む癖がある




【検査で判明した問題点】
〈形態〉
IL:32mm BL:33mm E-E:32mm
歯並び
・上の奥歯が若干内側へ倒れ込んでいる
・下の奥歯が若干内側へ倒れ込んでいる
顔面の発育
・上顎の成長は正常
・下顎の成長が少し少ない(下顔面劣成長)
気道
・アデノイドによるものなのか舌根沈下なのか全体的な気道狭窄を認める
〈呼吸と姿勢〉
呼吸
・鼻呼吸
姿勢(位置)
問題なし
〈機能〉
嚥下(飲み込み)
・少し口をすぼめる
・おとがいの緊張
【実際のやりとり】
本日は前回検査した結果とこれからどのような治療を行うかについてご説明していきます。
宜しくお願いします。
現在の歯並びの状態ですが、乳歯列期に見られる霊長空隙と呼ばれる歯と歯の間のスペースが認められます。このスペースは最近の子に見られることは少なくなってきたのですが、本来このスペースを使って乳歯よりも大きな永久歯が生えることができます。なので今回はしっかりと永久歯の生えるためのスペースが確保されているということになります。
このスペースがあることはいいことなんですね、よかったです。
だた上顎と下顎の歯のアーチを比較すると、上顎に対して下顎が若干狭くなっているように見えます。また正面からみると下顎の臼歯部が少し内側に倒れているように見えます。
言われてみるとそう見えますね。
舌の位置は上顎の天井にしっかりと張り付いているように見えるのですが、吸い上げという舌の動作を行うことができず、また全体的な気道の閉塞も認められます。水飲みテストでは少しではありますがお口周りの筋肉の強張りが認められ、飲み込みの際に舌だけではうまく飲み込みを行うことができずお口周りの筋肉がそれを補うように動いてしまっている状態です。
兄弟と比較するとマシですが確かにそのようになっているように見えます。
ご兄弟もそうなのですが上顎と下顎の骨の成長の分析結果として、下顎が上顎に比べて若干だけ成長が小さくなっています。
そうなんですね。
写真では前歯が先端同士で噛んでいるように写っているのですが、本来は下顎がもう少し奥まっているところで噛んでいますね(実際に噛んでもらいながら)。
乳歯での正常な前歯の噛み合わせは写真のような先端同士での咬合なのですが、下顎の成長のせいなのかそれよりも奥で噛んでいる状態です。
本当ですね、奥で噛んでいます。
これらの結果から、現状の見た目はそこまで問題ないように見えますがこれからの成長で飲み込みの癖や下顎の成長を促してあげることができなければ将来的に歯並びが悪くなっていく可能性があります。そのような未来を回避し、正常な機能を獲得する為にもこれから呼吸や飲み込みなどのトレーニングを行い、マイオブレースを補助的に併用して下顎の正常な成長を促していけるように頑張っていきましょう。
こちらこそ宜しくお願いします。
監修者情報

経歴
- 2003年 私立淳心学院高等学校卒業
- 2011年 北海道大学歯学部卒業 北海道大学歯学部第一補綴科にて研修を行う
- 2012年 大阪府下の義歯に特化した自費診療専門の医院で勤務
- 2013年 大阪府下 医療法人 副院長就任
- 2014年 同医療法人 分院長就任
- 2024年 くろおかファミリー歯科 開業