矯正相談ブログ

【患者さん情報】

8歳 男性

    

【相談のきっかけ】

歯の隙間がギチギチで隙間がないのか気になって相談にこられました。前の歯医者さんで出っ歯なので矯正が必要だと言われたとのことでした。

    

【問診票での「お子さんに当てはまるもの」】

・鼻炎アレルギーがある

・姿勢が悪い

・なかなか飲み込めない

    

【検査で判明した問題点】

〈形態〉

     IL:35mm   BL:33mm   6-6:34.5mm   

歯並び

・上の奥歯が内側へ少し倒れ込んでいる

・下の奥歯が内側へ少し倒れ込んでいる

・上の2番めの歯の生えるスペースが少し足りず窮屈そう

・下の前歯が少しガタガタしている

・上の前歯が出っ歯気味(骨格性angleⅡ級咬合)

顔面の発育

・上顎の成長は正常

・下顎の成長が少ない(下顔劣成長)

気道

・舌の位置が奥気味(舌尖がスポットについていない) 

・舌根沈下による若干の気道閉塞

〈呼吸と姿勢〉

呼吸

・鼻呼吸

姿勢(位置)

問題なし

〈機能〉

嚥下(飲み込み)

・口をすぼめる    ・口輪筋(唇の筋肉)の緊張

・勢いをつける    ・おとがいの緊張

・舌苔がついている

     

【本日お話しした内容】

上下それぞれの歯並びだけを見ると一見問題なく並んでいるように見受けられます。

しかしよく検査を行ってみると、上下の奥歯が少し内側に傾いているということがわかりました。水飲みテストの結果を見てみると、水を飲み込む際に本来であれば外から見ていると飲みこんだかどうかがわからないくらいお口周りに筋肉は動くことなく嚥下動作は行われるものなのですが、飲み込む際にお口周りの筋肉が動いていたり勢いをつけて飲みこんでいたりおとがい(顎の先)がこわばっていたりと余分な動きを多く行なってしまっています。このような動きをしてしまうと飲み込みの際に動いたお口周りの筋肉によって歯が内側に倒れ込むような力をかけてしまいます。飲み込みは1日に約600回行われていると言われているので、その回数分だけ歯並びが悪くなる力を受け続けているということになります。このようにお口周りの筋肉が余分な動きをしてしまう原因として、飲み込む際に舌の動きが正常ではなく舌の動きをおぎなう為に動いていることが考えられます。

CTの撮影の結果では舌の位置が本来の位置よりも大きく後ろに位置しています。理想は舌の先端が上の前歯の裏側につき、舌が全て上顎の天井に張り付いていることです。それと比べると舌の位置が全体的に後方に位置しており、その舌根が少し沈下して気道を圧迫しているように見受けられます。

また今回上の前歯の出っ歯を気にされています。また上の前歯が下の前歯を覆ってしまうという過蓋咬合にもなっています。このような歯並びになる原因はいろいろあるのですが、今回は診断の結果下顎の成長が上顎と比べて少し小さくなっていることが原因であると考えられます。

このような診断結果から、今後はトレーニングを行なっていき呼吸や飲み込み、姿勢などの正しい動きができるように行なっていきます。それと並行してマイオブレースにより歯並びの改善を促します。また下顎の成長を促してあげることによって上顎との調和を図り、気にされている出っ歯に対してもアプローチしていけるようにしていきましょう。

お家でのトレーニングやマイオブレースの使用時間や使用方法など、しっかりご家族一丸となって頑張ってもらうことが治療を成功に導く大きな鍵になりますでこれから一緒に頑張っていい歯並びといい機能を獲得していきましょう!

  

監修者情報

経歴

  • 2003年 私立淳心学院高等学校卒業
  • 2011年 北海道大学歯学部卒業 北海道大学歯学部第一補綴科にて研修を行う
  • 2012年 大阪府下の義歯に特化した自費診療専門の医院で勤務
  • 2013年 大阪府下 医療法人 副院長就任
  • 2014年 同医療法人 分院長就任
  • 2024年 くろおかファミリー歯科 開業
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