「歯の根が膿んでいます。これは抜歯が必要ですね」
歯を抜くのは一大事、とてもすぐに受け入れられるものではありませんよね。
どうしても抜かないといけない歯はもちろんありますが、ひょっとしたらその歯はまだ残せる可能性があるかもしれません。
とても難しい『歯の根』の治療
歯は歯冠と歯根という二つに分けられます。
そして歯の中には神経が存在しており、そこに虫歯菌などが感染することで痛みを引き起こします。

「根が膿んでいる」とは?
根が膿んでいるということはどういうことを指すのでしょうか?
一般的には神経に感染した細菌が根の中を通って根の先に感染した状態のことを指します。
レントゲン上では根の先に黒く丸い影として現れます。

この黒くなっている影は、根を支える顔の骨が感染によって溶けて無くなっていることを表しています。
骨が溶けて無くなり、そこに膿が溜まっている状態です。
この方も前の歯医者さんで抜歯が必要と言われてすがるような気持ちで当院を受診されました。
根の再治療をして治る可能性は?
一度根の治療をした後に感染を起こしてしまった歯の再治療を行なった場合の成功率(黒い影がなくなる可能性)は約40%と書かれている論文もあるくらい、根の再治療は難しいものになります。
約2本に1本は治療をしても治らないということになります。
しかし、約半分の歯は治せる可能性があります。


この方は幸いなことに根の再治療を行い、根の先の黒い影を治癒させることができました。
特別な治療ではなく、保険診療のみで治療しています。
抜かないといけないと思っていた歯が治り、大変喜んでいただけました。
まとめ
根の治療は歯の治療の中でも盲目的な処置であり、とても難しい処置に分類されます。
しかし、だからといって簡単に歯を抜いてしまうのはあまりにもったいないですよね。
私たち歯科医療従事者は皆さんの歯を少しでも残せるように日々研鑽を行っています。
もし歯を抜かないといけないと言われた際は、一度他の歯医者さんの意見を聞いてみてはいかがでしょうか?
くろおかファミリー歯科でもいつでも相談をお待ちしています。
監修者情報

経歴
- 2003年 私立淳心学院高等学校卒業
- 2011年 北海道大学歯学部卒業 北海道大学歯学部第一補綴科にて研修を行う
- 2012年 大阪府下の義歯に特化した自費診療専門の医院で勤務
- 2013年 大阪府下 医療法人 副院長就任
- 2014年 同医療法人 分院長就任
- 2024年 くろおかファミリー歯科 開業




